円祭 其之十七 開廊50周年記念 三輪 龍氣生 展 -百鳳集う-

■作品紹介

「飛翔の視志 赤」 H42.2×W83.0×D26.0cm

「卑弥呼(蓋物)」 H19.5×W48.0×D27.5cm


「愛壷」 H11.1×W5.9×D5.9cm

「騎士の休息」 H45.3×W34.0×D13.5cm

「萩 窯変花月盌」 H9.7×W13.2×D12.2cm


■会期

2022年6月9日(木)~6月26日(日) 10:00~18:00(会期中無休)

大雅堂1F・2F展示室

 

作家在廊予定:9日(木)~11日(土)12:00~17:00

■展覧会に向けたコメント

まだ私も若い頃、大雅堂 庄司惠一さんからの御意向で私の個展を二回して下さった。

その頃、画廊主は油が乗り切っていて中々やり手の人だなあと思っていた。

それから長い年月が経った。

一昨年、私は陶号を改め龍氣生としての最初の個展を、山口県立萩美術館・浦上記念館で行った。

そこへ全く見知らぬ青年が会場に突如現われて来た。

聞けば大雅堂の当代であり、庄司雅一と言う。あの惠一さんの息子さんではないか。

想像だにしなかった事でびっくりした。

私は急にタイムスリップして当時を思い出した。

そう言えば御父君の下で修行している若い息子さんがいた。

その彼は既に父親の言いなりではなかった。

ほんの些細な事であったが親子の違いを私は幽かに憶えている。そんな事は痕跡もなく忘れているだろうと思ったら、意外にも彼ははっきり憶えていてその事実の詳細を話してくれた。

親爺には親爺の思考があり、ジェネレーションの異なる息子には息子の捉え方があって当然である。

あれから幾月の息子さんが、今私の眼前にいる。ギャラリストとして実に存在感を持った成長振りである。これから先まだ一回りも二回りもの伸び代を予感させる。

画廊創業者の父親にとって、何が幸せかと言ったら、この様な息子さんを持った事に勝るものはない。

され、確か岡本太郎であったと思うが、「芸術家に二つの道があるとすれば、優れた芸術家は必ずより困難な道を選ぶ」と言っていた。

私にはそんな大それた力は無いが、「自分がわくわく、はらはら、どきどきする方の道を選ぶ」と言いたい。

制作中の作品を前に、ここをこうやってみたらどうなるのだろうかと言う熱い期待で、土を取ったり、付けたり、何度も何度もやり直して、それは私にとっては山を動かすような大工事であるが、私の選んだ道ではいつの間にか興奮気味になり、スリルを味わったりもする。その騒動の中で、私は時々新しい自分に出会ったりする。

そう言う自分が次のシリーズを背負ってくれ、新境地での出発になる。

ここに並べられている作品達は皆この様にして生まれ出たものである。

■プロフィール

1940年 三輪壽雪(じゅせつ)(十一代休雪、本名節夫(さだお))と貞枝の長男として、萩市に生まれる

1967年 東京藝術大学大学院陶芸専攻修了

     初作「花子の優雅な生活」(ハイヒール)を発表

1968年 個展「三輪龍作の優雅な欲望展」(壹番館画廊/東京)

1970年 個展「三輪龍作の愛液展」(壹番館画廊/東京)

1977年 「ファエンツァ国際陶芸展」にて受賞(イタリア/ファエンツァ)

1978年 個展「人間シリーズ展」(青木画廊/東京)

1981年 個展「初咲展」(日本橋三越本店)

1985年 エッセイ集『僕と炎と唇と』刊行(求龍堂)

1986年 個展「三輪龍作 天・地・人展」(京王百貨店、髙島屋京都店)

1988年 「サントリー美術館大賞展‘88」(サントリー美術館)

     個展「三輪龍作 卑弥呼展」(髙島屋日本橋本店、京都店、大阪店)

1991年 個展「三輪龍作 卑弥呼の書展」(有楽町アート・フォーラム有楽町西武)

1992年 個展「三輪龍作 続・卑弥呼の書展」(有楽町アート・フォーラム有楽町西武)

1994年 個展「卑弥呼シリーズ」(大雅堂/京都)

    個展「陶芸・三輪龍作の世界-愛と死の造形-」(下関市立美術館)

1995年 個展「三輪龍作 黒陶 騎士の休息展」(日本橋三越本店)

1996年 「三輪窯 伝統と革新の歩み展」(松坂屋美術館)

    個展「陶芸・三輪龍作の世界展」(天満屋岡山店葦川会館 テレビせとうち主催)

1999年 「日本の現代陶芸-前衛の動向 1990年代展」(ファン・ボンメル・ファン・ダン・ヴェンロ市立美術館/オランダ)

2001年 「三輪龍作・新世紀盌」を髙島屋にて発表

    個展「摩利耶 三輪龍作展」(フジヰ画廊/東京)

2002年 個展「龍呼展」(大雅堂/京都)

2003年 十二代休雪を襲名(4月)

    エッセイ集『軟らかい海』刊行  (講談社)

    個展「十二代三輪休雪襲名記念 金彩 シルクロード盌展」(髙島屋大阪店、京都店、日本橋店)

2005年 個展「襲名披露 十二代三輪休雪 オーロラ盌展」(日本橋三越本店、福岡店)

2006年 個展「十二代三輪休雪展-休雪への道-」(天満屋米子店、福山店、広島八丁堀店、岡山店、高松店)

2007年 個展「紀念中国山東省・日本山口県友好関係締結25周年 三輪休雪陶芸展」(山東省博物館/中国・済南)

2008年 個展「花鳥風月三輪休雪展」(近鉄百貨店)

2009年 個展「陶 愛と死の融合 十二代三輪休雪展」(パリ三越エトワール、日本橋三越本店、福岡三越)

2010年 個展「『龍人伝説』への道 三輪休雪展」(山口県立萩美術館・浦上記念館)

2011年 日本陶磁協会賞金賞受賞

    個展「十二代三輪休雪 てふてふ展」(髙島屋/東京、京都、大阪、名古屋、横浜)

2013年 智美術館開館10周年記念「三輪壽雪・休雪-破格の創造展」(菊池寛実記念 智美術館)

    「清州国際工芸ビエンナーレ」(清州/韓国)

2015年 個展「祈り-十二代三輪休雪展」(日本橋三越本店)

2016年 個展「祈り 花よ咲け-十二代三輪休雪展」(天満屋/岡山、広島、福山、米子)

2017年 「技を極める-ヴァンクリーフ&アーペルハイジュエリーと日本の工芸」(京都国立近代美術館)

    「京幾世界陶磁ビエンナーレ」(利川/韓国)

2018年 「陶-生命の讃歌Ⅱ」(山口県立萩美術館・浦上記念館)

2019年 龍氣生と改号(5月)

2020年 「三輪龍氣生展-行け、熱き陶の想いよ。」(山口県立萩美術館・浦上記念館)

2021年 「三輪龍氣生の陶-命蠢く」(菊池寛実記念智美術館)



■展覧会風景