現在開催中の展覧会

嚆矢祭-其之百二十三- 土田 康彦  展 ヴェネツィアン・ガラス展 -地中海-

■作品紹介


「バルセローナ」

200×610×95mm

「バレンシア」

305×570×95mm

「ニース」

240×585×100mm


■会期

2022年12月8日(木)~12月18日(日) 10:00~18:00(会期中無休)

大雅堂1F・2F展示室

 

作家在廊予定:全日

■展覧会に向けたコメント

夜明けの桟橋にて

 

夜明けの桟橋にさやかな風が流れている。

輪郭が鮮明な朝でも、もしくは霧に包まれていても、 いつでも風は新鮮である。

時にその風は、夏でも冷気を帯ることさえある。

しばらくすると、運河に朝日がさらさらと滲みて、 その美しさときたら敵わない。

もう敵わない。

芸術なんかじゃ、敵わない。

圧倒的な美なるものに包まれるとき、 人間はどう動くのでしょうか。

何思うこともなく

何願うこともなく

何欲すこともなく

 

そして私は水上バスに乗るのです。

向かうはムラノ島。

そこに私の工房、いや仕事場があるのです。

つまり私は、毎日水上バスで通う、労働者なのです。

いち労働者なのです。

そして夕方、疲れたからだを水上バスに運んでもらい、 再びこの桟橋に戻ってくる、 ただの労働者なのです。

 

土田康彦

■プロフィール

ヴェネツィア・ムラノ島にスタジオを構える唯一の日本人アーティスト。

作風は多様であるが、特筆すべきは、強いメッセージやコンセプト、哲学が各作品の根底に一貫して存在している点である。 その作風より「ガラスの詩人」の異名をもつ。近年、執筆、食、建築、映画、ファッション、音楽などジャンルを超えた活動を展開し、各分野の作家とのコラボレーションが注目されている。

2015年に作品集『運命の交差点』を出版。フジサンケイビジネスアイ賞・金賞をダブル受賞する。同年のミラノ万博では、書家・紫舟氏の書をガラスで造形した彫刻作品を発表。2016年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展では、403architectureの『ガラス橋』に制作協力。それぞれ最優秀金賞と審査員特別賞を受賞する。2016年放送のNHK『SWITCHインタビュー達人達』では、パティシエ小山進氏との対談が大きな反響を呼んだ。 2019年に日本橋三越本店画廊にて大規模な集大成展を開催。同年、日展に入選。2021年に処女作となる青春群像小説『辻調鮨科』が祥伝社より出版される。2023年夏には、田邊アツシ監督作品『マゴーネ/土田康彦』が公開予定。



■展覧会風景